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院長コラム

HDLコレステロールの基準値と増やすには

生活習慣病

コレステロールとは

コレステロールは、体内に存在する脂質の一種で、細胞膜の構成成分やホルモンの材料として重要な役割を果たしています。体内のコレステロールは肝臓で作られるほか、食事からも摂取されます。コレステロールには、血液中を運ぶ際に結合する「HDL(善玉)コレステロール」と「LDL(悪玉)コレステロール」があります。HDLは余分なコレステロールを肝臓に運び、体外に排出する働きがあり、心臓病のリスクを減らす役割を持ちます。一方、LDLは血管壁にコレステロールを溜め込みやすく、動脈硬化や心筋梗塞の原因になるため注意が必要です。健康維持のためには、バランスの良い食事や適度な運動でコレステロール値を管理することが大切です。

HDLコレステロールとは

HDLコレステロールは「善玉コレステロール」と呼ばれ、血液中の余分なコレステロールを体の組織から肝臓へ運ぶ役割を持っています。肝臓に運ばれたコレステロールは、体外へ排出されるため、血管内にコレステロールがたまるのを防ぎ、動脈硬化や心臓病のリスクを減らす働きがあります。そのため、HDLコレステロールの値が高いほど心血管の健康に良いとされています。健康的な生活習慣、例えばバランスの良い食事や適度な運動は、HDLコレステロールの増加につながります。逆に、喫煙や肥満はHDLの減少を招くため注意が必要です。

HDLコレステロールの基準値(正常値)

HDLコレステロールの基準値(正常値)は一般的に以下のように定められています。

  • 男性:40mg/dL以上
  • 女性:40mg/dL以上

特に、HDLコレステロールが60mg/dL以上であれば心血管疾患のリスクが低いとされています。逆に40mg/dL未満の場合は「低HDLコレステロール血症」とされ、動脈硬化や心臓病のリスクが高まる可能性があります。

健康維持のためには、HDLコレステロールを基準値内、できれば60mg/dL以上に保つことが望ましいとされています。

HDLコレステロールが高いと痩せている?

HDLコレステロールが高く、かつ痩せている人はよくいます。HDLコレステロールは「善玉コレステロール」と呼ばれ、脂質の代謝が良好な状態を示すことが多いため、健康的な生活習慣や体型と関連しやすいです。特に痩せている人は、適度な運動やバランスの良い食事を心がけている場合が多く、これがHDLコレステロールの値を高めることがあります。ただし、痩せていても生活習慣や遺伝的要因でHDLが低い人もいますし、逆に肥満でもHDLが高い場合もあるため、一概に体型だけで判断できるものではありません。健康状態を総合的に評価することが重要です。

HDLコレステロールを増やす方法

HDLコレステロールを増やすためには、以下のような生活習慣の改善が効果的です。

適度な運動を行う

ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を週に数回行うことで、HDLコレステロールが増えやすくなります。

  • ウォーキング:毎日30分程度、速歩きで歩くことを目標にしましょう。
  • ジョギングやサイクリング:週に3〜5回、各30分以上行うと効果的です。
  • 水泳やエアロビクス:全身運動で脂質代謝を促進します。

バランスの良い食事を心がける

青魚に含まれるEPAやDHA、オリーブオイルやナッツ類に含まれる不飽和脂肪酸を摂ると良いです。トランス脂肪酸や飽和脂肪酸の多い食品は控えましょう。

  • 青魚(サバ、サンマ、イワシ):週に2〜3回、EPAやDHAが豊富でHDLを増やします。
  • ナッツ類(アーモンド、くるみ):間食に少量取り入れましょう。
  • オリーブオイル:サラダのドレッシングや調理油として活用しましょう。
  • 野菜や果物:食物繊維や抗酸化物質が血管の健康を守ります。
  • 避けるべき食品:揚げ物やスナック菓子、加工肉などトランス脂肪酸や飽和脂肪酸が多い食品は控えましょう。

納豆はHDLを増やす?

納豆はHDLコレステロールを増やすのに役立つ食品とされています。納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」や「イソフラボン」、食物繊維が血液の脂質バランスを整える働きがあり、特にHDL(善玉コレステロール)を増やしやすいと報告されています。また、納豆は発酵食品であり、腸内環境を整えることで間接的に脂質代謝の改善にもつながると考えられています。

ただし、納豆だけで劇的にHDLが上がるわけではないため、運動や他のバランスの良い食事と組み合わせて摂取することが大切です。

チョコレートはHDLを増やす?

チョコレートの中でも特にカカオ含有量の高いダークチョコレートは、HDLコレステロールを増やす効果があるとされています。カカオに含まれるフラボノイドという抗酸化物質が血管を健康に保ち、善玉コレステロール(HDL)の増加を助ける働きがあります。

ただし、チョコレートには砂糖や脂肪も多く含まれているため、過剰摂取はカロリー過多や肥満につながる可能性があります。健康効果を期待するなら、カカオ70%以上のダークチョコレートを1日20〜30g程度にとどめ、バランスの良い食生活の一部として楽しむのがおすすめです。

禁煙する

喫煙はHDLコレステロールを減らすため、禁煙は効果的な改善策です。

適正体重を維持する

肥満はHDLを下げる原因になるため、健康的な体重を保つことが重要です。

過度な飲酒を避ける

適量のアルコールはHDLを増やす可能性がありますが、過度な飲酒は逆効果なので注意しましょう。