昼間の眠気がひどい、耐えられない
昼間(日中)の眠気の原因
睡眠不足

昼間の眠気の最もよくある原因は、睡眠時間の不足です。成人であれば1日7~8時間の睡眠が理想ですが、仕事や家事、スマートフォンの使用などで十分に眠れないと、脳や体の回復が不十分となり、昼間に強い眠気が出ます。また、夜中に何度も目が覚める中途覚醒や、寝つきが悪い入眠障害も、睡眠の質を下げ、昼間の眠気の原因になります。生活習慣の見直しが対策につながります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に何度も呼吸が止まり、深い眠りを妨げる病気です。そのため、夜にしっかり眠っているつもりでも、質のよい睡眠がとれておらず、昼間に強い眠気や集中力の低下を感じるようになります。自覚しにくい病気ですが、周囲にいびきを指摘されたり、昼間の強い眠気がある方は注意が必要です。自宅でできる簡易検査や専門医での相談が推奨されます。
過眠症(ナルコレプシーなど)
過眠症は、夜間に十分な睡眠をとっていても、昼間に強い眠気が何度も現れる病気です。特にナルコレプシーは、突然眠気が襲ってくる発作や、笑ったり怒ったりすると体の力が抜ける「情動脱力発作」が特徴です。脳内の覚醒調節の異常によって起こるため、生活に支障をきたすこともあります。昼間の眠気が強く、日常生活に影響が出ている場合は、専門医の診断を受けることが大切です。
うつ病・自律神経の乱れ
うつ病や自律神経の乱れも、昼間の眠気の原因になります。心の不調があると、夜に眠れない、または過剰に眠ってしまうなど睡眠リズムが乱れ、日中の眠気やだるさが強まります。また、ストレスによる自律神経のバランスの乱れでも、体がうまく活動モードに切り替わらず、眠気が取れないことがあります。気分の落ち込みや意欲の低下があるときは、早めに医療機関に相談しましょう。
PMS(月経前症候群)
PMSは月経前の数日から2週間ほどにかけて起こる心身のさまざまな不調の総称で、眠気やだるさも代表的な症状の一つです。ホルモンバランスの変動が脳の神経伝達物質に影響を与え、睡眠の質が低下したり、逆に過剰な眠気を感じたりすることがあります。
月経が始まるとともに改善することが多いですが、生活に支障をきたす場合は婦人科や心療内科で相談すると、症状の軽減に向けた対策や治療が可能です。
薬の副作用
一部の薬剤は眠気を引き起こす副作用があります。抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)や抗うつ薬、抗精神病薬、睡眠薬、鎮痛剤などが該当します。薬を飲み始めた後や用量を増やした際に、日中に強い眠気を感じることがあります。医師や薬剤師に相談し、必要に応じて薬の調整を行うことが重要です。
糖尿病や甲状腺機能異常
糖尿病や甲状腺機能低下症などの内分泌疾患も、体のエネルギー代謝を乱し、疲労感や眠気を招くことがあります。特に糖尿病では食後の急激な高血糖によって昼間の眠気が強くなることもあります。気になる場合は血液検査での評価をおすすめします。
慢性疲労症候群
原因不明の長期間続く疲労感や眠気を特徴とする病気です。休息をとっても疲れが抜けず、日中の眠気や集中力低下が続くことがあります。精神的なストレスや感染症後に発症することもあります。
仕事中に眠気で意識が飛ぶ原因は?
仕事中に眠気で意識が飛ぶ原因はさまざまですが、主に以下のようなものが考えられます。
睡眠不足・睡眠の質の低下
十分な睡眠時間が確保できていなかったり、睡眠の質が悪いと、脳が十分に休まらず日中に強い眠気や集中力低下を招きます。夜間の中途覚醒や睡眠時無呼吸症候群も影響します。
過労やストレス
長時間労働や精神的なストレスが蓄積すると、体も脳も疲労しやすくなり、仕事中に眠気や意識のぼんやり感が生じやすくなります。
低血糖や栄養不足
食事の間隔が空きすぎたり、偏った食生活により血糖値が低下すると、脳のエネルギー不足から強い眠気やめまい、意識障害が起こることがあります。
薬の副作用
服用している薬の中には眠気を催すものがあります。抗アレルギー薬や鎮痛薬、精神安定剤などが代表例です。
健康状態の異常
睡眠時無呼吸症候群や糖尿病、貧血、甲状腺機能低下症などの病気が眠気の原因となっている場合があります。
15時に眠くなるのはなぜ?
15時ごろに眠くなるのは、体内時計のリズムや食後の血糖値変動が主な原因です。人間の体は約24時間のリズムで覚醒と休息を繰り返しており、昼過ぎの13〜15時に一時的に脳の覚醒レベルが下がる「低下期」が訪れます。また、昼食後の血糖値が急上昇してから下がる際に、体がエネルギー不足を感じて眠気が生じやすくなります。さらに、前夜の睡眠不足や疲労があるとこの時間帯の眠気は強まります。室内の環境も影響し、暗く暖かい場所では眠気が増すことがあります。自然な現象ですが、効率を保つためには短い昼寝や軽い運動、カフェインの活用が効果的です。
昼間に眠気がするときの検査
問診・生活習慣の確認
まずは医師が睡眠時間、生活習慣、服用中の薬、ストレス状況などを詳しく聞き取り、眠気の原因を推測します。
簡易睡眠検査(在宅検査)
自宅でできる簡易的な睡眠検査(簡易ポリソムノグラフィー)を用い、睡眠中の呼吸状態やいびき、酸素飽和度を測定し、睡眠時無呼吸症候群の有無を調べます。
終夜睡眠ポリグラフィー検査(PSG)
専門施設で行う詳しい睡眠検査です。脳波、筋電図、呼吸の状態、心電図、酸素濃度など多くの項目を一晩かけて計測し、睡眠の質や無呼吸、周期性四肢運動症候群などの異常を診断します。
多眠日中覚醒検査(MSLT)
昼間の眠気の程度やナルコレプシーの診断に用いられる検査で、数回の短い昼寝の際に眠りに入るまでの時間を測定します。
血液検査
甲状腺機能異常、糖尿病、貧血など体調不良が眠気の原因でないか調べるために行われます。
昼間の眠気に対する対処法
規則正しい生活リズムを整える
毎日同じ時間に寝起きし、十分な睡眠時間(7〜8時間)を確保しましょう。睡眠の質を高めるため、寝る前のスマホやテレビは控えめにし、リラックスできる環境を作ることも大切です。
昼寝の取り方に注意する
昼寝は15〜20分程度の短時間にとどめ、午後早めの時間に行うと眠気の解消に効果的です。長時間の昼寝は夜の睡眠の妨げになるため避けましょう。
適度な運動を取り入れる
軽いウォーキングやストレッチなど、適度な運動を日常に取り入れることで血流が良くなり、眠気の軽減につながります。
カフェインの活用
コーヒーや緑茶に含まれるカフェインは眠気覚ましに有効ですが、摂取は午後の早い時間までにとどめ、夜の睡眠に影響が出ないよう注意しましょう。
環境を工夫する
明るい場所で作業したり、適度な換気を行うことで眠気を防げます。作業中は姿勢を正し、体を動かすことも効果的です。
医療機関の受診
十分な睡眠をとっても改善しない場合や、日中の強い眠気が続く場合は、睡眠時無呼吸症候群や内科的疾患の可能性もあります。
昼間の眠気に関するよくある質問
昼寝はどのくらいが適切ですか?
15〜20分程度の短時間の昼寝が効果的です。長すぎると夜の睡眠に影響し、かえって疲れが取れにくくなります。
昼間の眠気がひどい場合はどうすればいいですか?
生活習慣の見直しや環境改善を試みても改善しない場合は、専門医を受診して検査を受けることをおすすめします。
カフェインは昼間の眠気に効果的ですか?
適量のカフェインは眠気を覚ます効果があります。ただし、午後遅くに摂ると夜の睡眠に影響することがあるため注意が必要です。
スマホやパソコンの画面を見ると眠くなりますか?
逆にブルーライトが脳を覚醒させるため、眠気が覚めやすいこともありますが、長時間の使用は目の疲れや集中力低下を招くことがあります。
睡眠薬を使うと昼間の眠気が強くなりますか?
一部の睡眠薬は副作用として日中の眠気やだるさを引き起こすことがあります。医師の指示に従い使用しましょう。
睡眠時間が十分でも昼間に眠くなるのはなぜですか?
睡眠の質が悪い、ストレスや体調不良、潜在的な睡眠障害が原因のことがあります。
昼間の眠気は年齢と関係ありますか?
年齢によって睡眠のリズムや質が変わるため、年齢を重ねると昼間の眠気を感じやすくなることがあります。
食事内容で昼間の眠気を抑えられますか?
食後の眠気を抑えるには、糖質の多い食事を控え、バランスの良い食事を心がけることが効果的です。