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院長コラム

インフルエンザではない 大人の39度の熱

熱・感染症

大人で39度の熱が出る原因は?

肺炎

細菌やウイルス、真菌が肺に感染し炎症を起こす病気です。高熱や咳、喉の痛み、息切れ、胸痛などの症状があり、39度以上の熱が続くことが多いです。特に高齢者や免疫力の低下した人は重症化しやすく、早期の治療が必要です。

尿路感染症

膀胱や腎臓など尿路に細菌が感染することで発熱が生じます。特に腎盂腎炎では39度以上の高熱が見られ、背中の痛みや排尿時の違和感、頻尿が伴うことが多いです。抗菌薬治療が必要です。

扁桃炎

扁桃腺の細菌感染によって起こり、高熱や喉の激しい痛み、嚥下困難を伴います。特に溶連菌感染症の場合は高熱が続きやすく、抗生物質の治療が必要です。

感染性心内膜炎

心臓の内膜に細菌が感染する病気で、持続的な高熱が特徴です。倦怠感や息切れ、心雑音の出現もあり、放置すると心不全や塞栓症(脳梗塞、腎梗塞など)のリスクがあります。血液培養検査や心エコー検査で診断し、長期の抗菌薬治療が必要です。

成人Still病

原因不明の自己炎症性疾患で、高熱が1週間以上続き、関節痛や皮疹を伴うことが多いです。発熱は一日のうちで波があることもあり、診断には血液検査や臨床症状の確認が重要です。ステロイド療法が中心となります。

悪性リンパ腫

リンパ系のがんで、原因不明の発熱や体重減少、リンパ節の腫れがみられます。発熱はしばしば持続性で39度前後が続き、早期診断と治療が必要です。画像検査やリンパ節生検で診断されます。

大人で39度の発熱は白血病のこともある?

大人で39度の高熱が続く場合、白血病が原因のこともあります。

白血病は血液のがんで、白血球が異常に増殖し、正常な血液細胞の働きを妨げます。その結果、免疫力が低下しやすく、感染症を起こして高熱が続くことがあります。発熱以外にも、倦怠感、貧血、出血傾向、リンパ節の腫れなどの症状がみられることがあります。

当院は、血液内科を専門とする医師によるクリニックです。発熱など気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

インフルエンザでも39度の熱が出る?

インフルエンザウイルス感染による急性の呼吸器感染症です。急激に39度以上の高熱が出ることが特徴で、頭痛、筋肉痛、喉の痛み、倦怠感などを伴います。一般的に1週間程度で回復しますが、高齢者や基礎疾患のある人は重症化することもあります。

インフルエンザと風邪による発熱の見分け方

インフルエンザと風邪による発熱は、症状や経過である程度見分けられます。インフルエンザは急に38度以上の高熱が出ることが多く、39度以上になることもあります。全身の倦怠感や筋肉痛、関節痛が強く、頭痛や寒気も伴います。熱は通常2〜5日続きます。一方、風邪の発熱は比較的軽度(37〜38度程度)で徐々に上がることが多く、鼻水や喉の痛み、くしゃみが主体で全身症状は軽いことが多いです。確実な診断には医療機関での迅速検査が必要です。

ストレスで39度の熱が出る?

ストレスが原因で39度の高熱が出ることはまれですが、完全に否定はできません。

強い精神的ストレスや過度な緊張は自律神経や免疫機能に影響を与え、体温調節に異常をきたすことがあります(心因性発熱)。このため微熱や時に高熱が出ることもありますが、通常は39度以上の高熱が長期間続くことはまれです。

もし39度の高熱が続く場合は、まず感染症や他の病気の可能性を優先的に調べる必要があります。ストレスが原因と考えられる場合でも、医療機関での診断を受けることが重要です。

大人で39度の熱があるときの対処法

水分補給をこまめに行う

高熱で汗をかくため、脱水症状を防ぐために水やスポーツドリンク、経口補水液などを十分に摂りましょう。

安静を保つ

体力が消耗しやすいため、無理せず安静にして休むことが重要です。

解熱剤の使用

市販の解熱剤(アセトアミノフェンやイブプロフェン)を適量使用し、つらい熱や痛みを和らげます。ただし用法用量を守り、長期間の自己判断での使用は避けてください。

体温調節

室温を適切に保ち、冷却シートや濡れタオルで額や首を冷やすと楽になることがあります。

医療機関の受診

39度の熱が続く場合や他の症状(呼吸困難、激しい頭痛、意識障害など)がある場合は早めに医療機関を受診してください。

社会人は何度の熱があったら休んだほうが良い?

社会人が仕事を休むべき熱の目安は、一般的に37.5度以上と言われています。

理由としては、37.5度以上の熱があると、体の免疫機能が低下し、仕事のパフォーマンスが落ちるだけでなく、周囲の人に感染症をうつすリスクも高まります。特にインフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症が疑われる場合は、早めに休んで体を休めることが大切です。

インフルエンザではない大人の発熱に関するよくある質問

39度の熱が続くとき、どんな症状があればすぐに受診すべきですか?

呼吸困難、激しい胸痛、意識障害、ひどい頭痛、皮膚の発疹や出血斑がある場合は早急に受診してください。

インフルエンザではない高熱でも解熱剤は使えますか?

解熱剤は熱や痛みを和らげるために使えますが、用法用量を守り、長期間の自己判断での使用は避けてください。

自宅でできる対処法は何ですか?

水分補給、安静、体温調節(冷却シートや室温管理)を行い、症状が改善しない場合は医療機関を受診してください。

39度の熱が出たときに食事はどうしたらいいですか?

食欲がなくても無理に食べる必要はありませんが、水分補給をしっかり行い、消化に良い軽めの食事を心がけましょう。

熱が上がったり下がったりするのは正常ですか?

病気によっては熱が波のように上下することがあります。持続的に高熱が続く場合は医療機関での診断が必要です。

市販の解熱剤で熱が下がらない場合はどうすれば良いですか?

市販薬で熱が下がらない場合や症状が悪化する場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。

自宅での体温測定のポイントは?

毎日同じ時間帯に測ること、体温計の使い方を正しく守ることが大切です。熱の変動を把握しやすくなります。