TOPへ

インフルエンザ予防接種

インフルエンザワクチンの接種時期と費用

本年度は物価高騰の影響が続いておりますが、当院ではできるだけ多くの方にインフルエンザ予防へ取り組んでいただけるように、ワクチン接種費用をご家庭に負担の少ない料金に設定いたしました。安心して接種を受けていただける環境を整えておりますので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。

地域差はありますが、例年インフルエンザの流行は 12月~翌年2月頃が中心であるため、12月上旬までにはインフルエンザワクチン接種を完了していることが望ましいです。
※当日体調の悪い方は、インフルエンザワクチン接種を行えませんのでご了承ください。

接種開始日

令和7年10月2日より実施

費用:1回 3,000円

インフルエンザワクチンとは

インフルエンザとはインフルエンザワクチンは1945年に米国で承認され、日本にも導入されました。国内では鶏卵培養法で作成されたワクチンが使用されています。精製したウイルス粒子からウイルス膜の成分が取り除かれている不活化ワクチンなので、感染性はありません。ワクチンはウイルスのHAに対する抗体を誘導し、感染拡大を防ぎます。毎年予測株を基に製造され、流行前の接種で感染や重症化のリスクを減らせます。

インフルエンザワクチンの目的

インフルエンザワクチン接種の目的は大きく2つあります。1つは、罹患予防目的で、インフルエンザにかからないことの目的です。もう1つは、重症化予防目的で、インフルエンザに罹患しても入院や死亡のリスクを減少させる目的があります1,2)

引用論文
1) Vaccine. 2021 Jun 23;39(28):3678-3695.
2) Vaccine. 2018 Sep 18;36(39):5916-5925.


インフルエンザワクチンの効果はいつからいつまで持続する?

ワクチン接種後2週間程度で、予防効果のあるワクチン抗体価まで上昇します。その後、4~6週間程度で抗体価はピークに達します。しかし、半年後にはピークの50%程度まで低下すると考えられています。

引用論文
Rev Infect Dis. 1983 Jul-Aug;5(4):737-47.


当院でのインフルエンザワクチンについて

接種対象年齢

10歳以上

高校生未満の場合は、保護者同伴でご来院ください。
〈注〉当院で経鼻インフルエンザ生ワクチン(フルミスト)は取り扱っておりません。

  • ●荒川区在住の15歳以下(中学3年相当)の方は、自己負担なく接種していただけます。
  • ●荒川区在住の65歳以上の方は、自己負担なく接種していただけますが、自治体から届いた予診票を必ずご持参ください。
  • ●荒川区以外に在住の65歳以上の方は助成額が異なりますので、お住まいの自治体から届いた予診票を必ずご持参ください。

10歳から13歳未満の患者さまへ

  • 10歳から13歳未満の患者さまは2回接種を推奨しています。
  • 1回目と2回目の接種間隔は一般的に2~4週間です。
  • 1回目と2回目の接種を別の医療機関で行うことも可能です
  • 荒川区在住の方は、1回目・2回目共に自己負担はありません。

※1回目の接種後に受付で予約することもできます。自動的には予約されませんのでご注意ください。


インフルエンザワクチンの副作用

インフルエンザワクチン接種後、接種部位の発赤、腫脹、疼痛は10~20%に認められます。発熱、頭痛、悪寒、倦怠感、筋肉痛は5~10%で見られ、いずれも2~3日で軽快します。アレルギー反応として発疹や蕁麻疹、かゆみが出ることもあります。稀にアナフィラキシーショックを起こす場合があります。重篤な副反応にはギランバレー症候群、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎などがあり、ギランバレー症候群の発症率は100万接種あたり約2.77人であったと海外から報告されています1)

引用論文
1)Influenza Other Respir Viruses. 2023 Jan;17(1):e13072


インフルエンザの予防

インフルエンザの予防ワクチン接種が有効です。ワクチン接種は発症リスクを減らし、重症化を防ぐ効果が期待されます。また、インフルエンザウイルスは手から体内に侵入するため、石けんで指先や爪の間、手首までしっかり洗うことが大切です。マスクは自分の飛沫を防ぐだけでなく、他人の飛沫も防ぎます。咳やくしゃみをする際は、マスクやハンカチ、袖で口と鼻を覆いましょう。免疫力を高めるためには、十分な睡眠やバランスの良い食事、ストレス管理が欠かせません。乾燥した空気は粘膜の防御力を弱めるため、室内湿度は50〜60%に保ちましょう。また、定期的に換気を行うことも大切です。流行期は人混みを避けることも重要です。


インフルエンザ予防接種のよくある質問

インフルエンザワクチンを接種した後にインフルエンザにかかることはありますか?

インフルエンザに罹患する可能性はあります。ワクチンは感染そのものを完全に防ぐものではありませんが、接種することで重症化するリスクを下げる効果があります。インフルエンザワクチンには、発症予防効果と重症化予防効果が期待されています。

インフルエンザワクチンを接種した翌日に熱が出るのはどうしてですか?

投与されたウイルス抗原に対する免疫反応です。熱以外に、投与部位の痛みや腫れが生じることがありますが、いずれも1〜2日で自然に治ります。米国CDCによると、これらの症状は10〜15%の頻度で生じるとされています。

インフルエンザA型とB型どっちがきついですか?

症状だけでインフルエンザA型とB型を見分けることはできません。また、両者の症状に大きな違いはないとされています。しかしながら、一般的にA型は高熱になりやすく、B型は消化器症状が出やすい傾向があると言われています。

インフルエンザは自然に治りますか?

インフルエンザは自然に治ることが多いです。抗インフルエンザ薬を投与すると、解熱期間が約1日短くなります。なお、抗インフルエンザ薬は発症後48時間以内に投与する必要があります。高齢者や基礎疾患のある方は症状が悪化する可能性があるため、早めの受診をおすすめします。

インフルエンザで何日目まで人に感染させてしまいますか?

症状が出る1日前から、発症後5日程度までは他人に感染させる可能性があります。特に発症後2~3日目はウイルスの排出量が多く、感染力が高いと考えられています。新型コロナウイルスと同様に、免疫不全の方では症状の改善に時間がかかり、長期間ウイルスを排出する可能性があるため、注意が必要です。

家族にインフルエンザがうつらないようにするにはどうすればいいですか?

インフルエンザの家庭内感染のリスクは、1%から38%程度であると報告されています1)。手洗いや加湿、換気などの対策を心がけることが重要です。なお、自費診療になりますが、抗インフルエンザ薬の予防投与を行う方法もあります。

引用論文
1)Trends Microbiol. 2016 Feb;24(2):123-133.

インフルエンザは同じ型でも再感染しますか?

再感染する可能性があります。例えば、インフルエンザA型のH1N1に罹患した後でも、インフルエンザA型のH3N2に感染する可能性があります。クリニックで行われるインフルエンザ迅速検査では、A型かB型かは判別できますが、A型の亜型までは判別できません。そのため、A型に感染した後に別の亜型のA型に感染することもあれば、A型に罹患した後にB型に罹患することもあります。以上の理由から、一度インフルエンザに罹患しても、他の株に感染する可能性があるため、インフルエンザに罹患した後もワクチン接種が推奨されます。


インフルエンザとは

インフルエンザはインフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症で、A型からD型に分類され、ヒトに流行を起こすのは主にA型とB型です。短期間で多くの人に感染が広がり、北半球では1月頃、南半球では7月頃に流行のピークを迎えます。発熱、咳、頭痛、関節痛などの全身症状が現れます。特に高齢者や基礎疾患のある人、乳幼児は重症化リスクが高く、感染予防や早期治療が重要です。新型コロナの影響で一時減少していた感染者は増加傾向にあり、流行前のワクチン接種による予防が推奨されています。

年度ごとの国内でのインフルエンザ患者数

  • 2017/18年度:2249万人
  • 2018/19年度:1200万人
  • 2019/20年度:729万人
  • 2020/21年度:1.4万人
  • 2021/22年度:0.3万人
  • 2022/23年度:1201万人
  • 2023/24年度:1824万人

インフルエンザの感染経路

感染は主に咳やくしゃみによるウイルス含有飛沫やエアロゾルの吸入で起こります。サージカルマスクの着用で感染を抑制できると考えられています。ウイルス粒子が付着した手や物に触れた後に、口や鼻を触ることでも感染が起こります。発症前日から発症後5日頃までは感染性のあるウイルスが放出される可能性があります1)。多くの人が集まる場所では特に感染に対する注意が必要です。

引用論文
1)Clin Infect Dis. 2017 Mar 15;64(6):736-742.

インフルエンザの潜伏期間

インフルエンザの潜伏期間は約1~3日です。感染後、発症前でもウイルスを排出し、他者に感染させる可能性があります。症状のあるA型患者から次の患者が発症するまでの期間は2.2~2.8日と報告されています1)。A型の潜伏期間は約1.4日、B型は約0.6日とされ2)、A型の症状ピークは感染後2~3日目に現れます3)

引用論文
1)Am J Epidemiol. 2014 Nov 1;180(9):865-75.
2)Lancet Infect Dis. 2009 May;9(5):291-300.
3)Am J Epidemiol. 2008 Apr 1;167(7):775-85.

インフルエンザの種類

インフルエンザウイルスは抗原性の違いからA型~D型に分類され、ヒトに流行を起こすのはA型とB型です。C型は小児期に感染し終生免疫が得られるため全国的な流行はなく、鼻汁過多の感冒症状が多いとされます。D型はブタから分離されたもので、2025年時点でヒト感染は報告されていません。A型はヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)の組み合わせで亜型が多く、HAはH1~H18、NAはN1~N11に分類されています。歴史的に世界的大流行した亜型にはH1N1(スペインかぜ, 1918年)、H2N2(アジアかぜ, 1957年)、H3N2(香港かぜ, 1968年)があり、現在はAソ連型(H1N1)、A香港型(H3N2)、B型がヒトで流行しています。


インフルエンザは風邪とどう違う?

インフルエンザは風邪とどう違う?風邪はライノウイルスやコロナウイルスなど、さまざまなウイルスが原因となります。発症は比較的ゆっくりで、のどの痛みや鼻水、咳など軽い症状がみられます。通常数日から1週間程度で自然に治り、重症化はまれです。インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症で、咳などの呼吸器症状に加えて、高熱や悪寒、頭痛、関節痛などが、一気に急速に出現するのが特徴です。感染力も強く、重症化のリスクがあります。インフルエンザには抗インフルエンザ薬があり、発症後48時間以内の服用で症状の改善を早めます。


このような症状がある場合は当院までご相談ください

  • 痙攣したり呼びかけに応えない
  • 呼吸が速い、又は息切れがある
  • 呼吸困難、苦しそう
  • 顔色が悪い
  • 胸の痛みが続いている

など