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院長コラム

消化の良い食べ物とは?胃腸の調子が悪い時におすすめのお腹に優しいメニューを紹介

生活習慣病

胃もたれや腹痛、下痢があるなど胃腸の調子が悪い時、風邪などの体調不良の時には消化の良い食べ物を食べることが大切です。

この記事では、消化の良い食べ物をお探しの方に向けて、消化の良い食べ物とはどんなものか、具体例とコンビニやスーパーで買えるおすすめメニューを紹介します。

冷蔵庫にあるもので作れる簡単レシピも紹介しますので、是非参考にしてくださいね。

消化のいい食べ物とは?

消化のいい食べ物とは?

消化の良い食べ物とは、消化管(胃や腸)に負担をかけずに栄養補給ができる食べ物のこと。
具体的には、以下のような特徴をもつ食べ物が当てはまります。

  •  脂肪分の少ないもの
  • 食物繊維の少ないもの
  • 刺激物の少ないもの

それぞれが消化にいい理由と具体例を紹介します。

脂肪分の少ないもの

脂肪分(脂質)は他の栄養素(たんぱく質や糖質)に比べて、消化に時間がかかる栄養素です。

そのため、脂肪分の多い食事では以下のような状態になりやすい特徴があり、胃や腸に負担をかけやすいといえます。

  • 胃にものが長時間たまりやすい
  • 胃の動きが抑制される
  • 胃や腸の消化液(胃酸や胆汁酸)が多く分泌されて消化管が刺激される

そのため、消化の良い食事をとるためには、消化に負荷のかかる脂肪分が少なく、消化しやすい糖質を主な栄養素となる食べ物を選ぶことが大切です。

■糖質を主成分とする食品の例

  • 穀類(米、小麦製品…うどん、パンなど)
  • 芋類
  • 果物類

また、たんぱく質は脂質よりも消化されやすいものの、糖質よりは消化されにくいことが知られており、消化の良い食材を選ぶことが大切です。

■たんぱく質が取れる食品のうち、比較的消化にいい食材の例

  • 卵(特に半熟卵)
  • 牛乳・乳製品(低脂質のもの)
  • 鶏ささみ
  • 白身魚

 

これらの低脂質な食材を中心として、油脂分の少ない調理法の料理がおすすめです。

食物繊維の少ないもの

食物繊維は人間の消化管では消化吸収されない食品成分です。

健康な状態で適量範囲の摂取であれば、腸管の運動を活発にして腸内環境の正常化に役立ちます。
しかし、一度に多量をとりすぎたり、胃腸の調子が悪い時に沢山とると、消化できないために腸管の刺激になって悪影響を及ぼすことがあります。

■食物繊維を多く含む食品

  • 精製度の低い穀類(玄米、全粒粉、オートミールなど)
  • 野菜類(根菜…ごぼうなど)
  • キノコ類
  • 海藻類

■食物繊維の少ない食品

  •  精製された穀類(白米、小麦粉およびその加工品)
  • 野菜や果物のジュース類
  • 動物性食品

前述した脂肪分についても考慮しつつ、胃腸に負担をかけないものを選びましょう。

刺激物の少ないもの

味付けや調理法に関して、胃腸に刺激の少ないものを選ぶことも大切です。

■胃腸に対して刺激となる食品

  • 辛いもの(唐辛子、ワサビ、カラシなど)
  • 酸味の強いもの(酢、柑橘類、パイナップル、梅干しなど)
  • 塩分の強いもの(調味料全般、漬物、塩漬け加工品など)

これらの食材・調味料は胃や腸の細胞にダメージを与えるため、なるべく控えるようにしましょう。
優しい味のものを選ぶことを意識するのがわかりやすくおすすめです。

また、このほか、冷たい料理も胃腸の刺激になります。
冷たい食事は少量なら問題ありませんが、そればかりになると胃腸を冷やして血管を収縮させ、胃腸の機能低下を招くため控えましょう。

胃腸の調子が悪いときのおすすめメニューを紹介

胃腸の調子が悪い時に選びたいメニューの具体例を一覧で紹介します。

コンビニやスーパーでも購入できるものを中心にしていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

おかゆ・雑炊

おかゆ・雑炊

お米をやわらかく煮た お粥や雑炊は消化の良い食べ物の代表格です。
消化しやすい糖質が大部分を占めているため、消化管に負担をかけにくくなっています。

最も消化にいいのは具材を入れない純粋な「おかゆ」です。
卵を入れたり、薬味のネギを入れたりすると、多少消化のしやすさは落ちますが、十分に消化の良い食事といえます。

味付けは無し(純粋なおかゆ)か、和風だしをベースにした薄味が食べやすく、お腹にも優しいのでおすすめです。
体調に合わせて選ぶとよいでしょう。

コンビニやスーパーでは、レトルトパウチのおかゆや雑炊が購入できる事が多いので活用しましょう。
比較的長期間保存ができるようになっているので、あらかじめ買っておいておくのもおすすめです。

温かいうどん、にゅうめん

温かいうどん、にゅうめん

温かい「うどん」や「にゅうめん」もおかゆに並んで消化の良い食事です。
おかゆや雑炊と同様、糖質が主な栄養素となっており、消化吸収されやすいのが魅力です。

自分でゆでる場合には、普段より少し長めにゆでると柔らかくなってよりお腹にやさしいものにできます。
また、具材の少ないシンプルなもので、薄味にするのがおすすめです。

  • かけうどん(かけにゅうめん)
  • かき玉うどん(かき玉にゅうめん)

麺類は早食いしやすいのが難点なので、流し込むことは避け、よく噛んで食べるようにしましょう。

茶碗蒸し、卵豆腐

茶碗蒸し

茶碗蒸しや卵豆腐はだし汁でのばした卵を加熱して固めたもので、やわらかく消化しやすい料理の一つです。

たんぱく質が取れるので、胃腸の調子が悪い時でも栄養バランスを整えるのにも適しています。

主食であるおかゆやうどんに「おかず」として組み合わせるのがおすすめです。

湯豆腐、豆腐料理

湯豆腐

湯豆腐など、油脂分の少ない豆腐料理も消化の良いたんぱく質の摂取源となります。

  • 湯豆腐
  • 冷ややっこ、温奴
  • 豆腐のあんかけ

卵豆腐と同様、胃腸の調子が悪い時の栄養バランス調整に最適です。

また、同じ大豆製品でも、納豆など大豆の粒がそのままのものは比較的消化の悪い食材といえます。
さらに、豆腐製品でも、麻婆豆腐など、肉や油脂分をたっぷり使った豆腐料理は消化に悪いので避けましょう。

具の柔らかいスープ、鍋

具の柔らかいスープ

キャベツ、白菜、人参などの野菜、じゃがいもなどの具材を柔らかく煮たスープや鍋物も消化の良い食事としておすすめです。

野菜類は糖質やたんぱく質をあまり含まないため、カロリー源にはなりにくいですが、副菜的なものとして、または食事のバリエーションを増やすのに適しています。

スープの味付けは脂肪分の少ないもので、和風だしベースかコンソメなどがおすすめです。

プリン、ゼリー

プリン

プリンやゼリーは脂肪分は控えめで砂糖(糖質)からエネルギーを補給することができます。
食欲がなくおかゆやうどんが食べられない場合にも、体力回復のためのカロリー摂取に最適です。

プリンはホイップクリームなどのないシンプルなものがおすすめです。
ゼリーはゼラチンで固めたものと寒天で固めたものとがありますが、寒天は食物繊維で多少なりとも消化管の刺激になるため、できればゼラチンで固めたものがおすすめです。

また、ゼロカロリーのゼリーは食物繊維を多く含むため、胃腸の調子が悪い時は避けたほうが無難です。
ヨーグルトも比較的消化の良い食品といえますが、製品によっては酸味が強いため、体調に合わせて選ぶのがおすすめです。

ただし、冷たいものは不調の胃腸には刺激になるため、食べ過ぎには注意しましょう。

りんごのコンポート 、バナナ

りんごのコンポート

りんごは果物の中でも比較的食物繊維が少ないのが魅力です。
さらにコンポート(甘煮)にすることで、より消化されやすく・カロリーを多く摂取することができます。
同じ加熱された果物では、ブドウも食物繊維が少なく消化の良い種類といえます。

リンゴ・ブドウはともに、ゼリーなどに入っている場合もありますので、うまく活用できるとよいでしょう。

加熱された果物が苦手な場合には、バナナが手に入りやすく、食物繊維や酸味成分が少なくお勧めです。

胃腸の調子が悪いときに避けるべき食べ物とは?具体例を紹介

胃腸の調子が悪いときに避けるべき食べ物とは?

消化の良い食べ物とは反対に、胃腸の調子が悪いときに避けるべき食べ物の具体例を紹介します。
コンビニやスーパーで手に取りやすいものも少なくありませんが、手軽だからといって気軽に口にすると体調の改善を妨げることもあるので注意しましょう。

揚げ物

揚げ物全般は油脂分が多く、消化管に負担をかけるため避けましょう。

■揚げ物の例

  •  フライ
  • 唐揚げ
  • 天ぷら
  • フライドポテト
  • ドーナツ

揚げ調理によって油脂分が多量に付加されているため、具材自体に脂肪分が多いか少ないか、はあまり関係がありません。
コンビニやスーパーで手に入りやすい定番の惣菜は揚げ物が多くなっていますが、胃腸をいたわるためには控えましょう。

脂身の多い肉・魚

脂身の多い肉や魚も疲れた胃腸の負担となるため、避けるようにしましょう。

肉類や魚類はその種類や部位によって脂肪分の含有量が大きく異なります。

■脂質の多い肉、魚

  • 鶏肉の皮、もも肉
  • 豚肉のバラ肉
  • 牛肉のバラ肉(カルビ)
  • 青魚(サバ、サンマなど)
  • 魚の脂の多い部位(まぐろトロ、鮭ハラスなど)

肉類は品種によっても異なりますが、カットされた状態で見たときに、白い脂身が多く見られるものは避けましょう。
胃腸の調子が特に悪いときは肉類・魚類はまとめて避けるほうが安心です。

インスタント麺

カップ麺や袋麺のようなインスタントの麺類は手に入りやすく簡単に調理できるため、体調不良時でも活用するという人も少なくありませんが、胃腸の調子が悪いときには避けるべき食べ物と言えます。

インスタント麺の多くは油で揚げられているため脂質が多いこと、また味付けが濃い(塩分が多い、香辛料が多い)場合が多いことが理由です。

どうしても、という場合には、ノンフライ麺を選ぶこと、スープに油脂分の少ない和風ベースのものを選ぶことを意識しましょう。

香辛料の多い料理

香辛料を多く使った料理は食欲を増してくれますが、胃腸の調子が悪いときは消化管の刺激になるため控えましょう。

香辛料には様々な種類がありますが、特に「辛味」の強い唐辛子を多く使ったものに注意が必要です。

■香辛料を多く使った料理の例

  • カレーやカレー味の料理
  • 中華料理(麻婆豆腐・担々麺など)
  • 韓国料理(キムチ、チゲ、ビビンバなど)
  • エスニック料理(トムヤムクン、グリーンカレーなど)

また、これらの料理は油脂分も多く使われている傾向にあり、合わせて胃腸の負担となるため気をつけましょう。

根菜・海藻・きのこ類

根菜や海藻、きのこ類は食物繊維が比較的多く含まれるため、お腹の調子がすぐれないときにたくさん食べることは避けましょう。

生活習慣病予防に役立つ食物繊維は、健康状態に問題ないときであれば積極的に取りたい栄養素と言えますが、胃腸がダメージを受けているときや過敏になっているときには刺激となって回復を妨げてしまうことがあります。

海藻やきのこ類は食べ過ぎに注意し、根菜類は柔らかく煮込むとよいでしょう。

柑橘類、酢、梅干し

柑橘類、酢、梅干しといった酸味の強い食材や調味料は胃や腸を刺激するため、控えめにすることを意識しましょう。

■柑橘類と酢の例

  • 柑橘類…レモン、ゆず、かぼす、すだち、みかん、オレンジ、グレープフルーツなど
  • 酢…米酢、穀物酢、リンゴ酢、黒酢、バルサミコ酢など

いずれも風味付け程度であれば問題ありませんが、しっかりと酸味を感じる味付けの場合や食材をそのまま食べる場合では消化管への刺激が強くなりますので、注意しましょう。

冷たい飲み物・食べ物

冷たい飲み物・食べ物は多量に食べると胃腸の血行を抑制して胃腸の働きを悪くしてしまいます。
冷たい飲み物や食べ物は食欲がないときでも食べやすい利点はありますが、「冷たいものばかりを大量に食べる」ということにならないよう注意が必要です。

■冷たい食品の例

  • 冷たい麺
  • 生野菜
  • ゼリー、プリンなど
  • アイスクリーム・シャーベット
  • 冷たい飲み物全般

夏場で冷たい飲み物や食べ物を食べたいというときは、温かい飲み物・食べ物を組み合わせて、お腹が冷えすぎないようにしましょう。

自炊派におすすめ、消化を良くする調理のポイント

消化を良くする調理のポイント

自宅で調理をするという場合には、いくつかの工夫でより消化の良い食事を作ることが可能です。 

  • 具材を小さく切る
  • やわらかく煮る
  • 薄めの味付けにする
  • 温かい料理にする

それぞれの調理方法のポイントについて、得られる効果と具体例を紹介します。

具材を小さく切る

下ごしらえで具材を小さく切ることで、火が通りやすく、柔らかく仕上げやすくなるため、消化管の負荷を少なくすることができます。

また、あらかじめ食材を小さく、特に繊維のある肉や野菜は繊維を断つように切っておくことで、咀嚼(噛むこと)の負担を減らし、大きいまま飲みこんで消化しにくい状態になることを防げます。

■効果的な切り方

  • みじん切り
  • 千切り(繊維を断つように)
  • 薄切り(繊維を断つように)

更に消化に良い形態を突き詰めると、「ペースト状」「ポタージュ状」になります。
食べる人の体調と食欲に合わせて、適切な形態にするのが良いでしょう。

柔らかく煮る

消化の良い食事づくりには、食材をやわらかく煮ることが大切です。
食材のサイズがやや大きくても、簡単に噛めるように柔らかくすることで消化されやすくお腹に優しい食事にできます。

■やわらかく煮るポイント

  • 加熱時間を増やす
  • 水分量を増やす

 

 

 

汁物や煮物、麺類では煮込み時間を増やすとともに水分が蒸発しすぎないようにしましょう。
ご飯やおかゆ、雑炊では水分量を増やして調理することで柔らかく仕上がります。中心部までやわらかくなるよう、適宜調理時間を調整しましょう。

薄めの味にする

塩味、酸味、辛味の強い調味料は控えめに、薄めの味付けにすることで胃腸の負担を減らすことができます。

■控えめにした調味料

  • 塩味の強い調味料…塩、醤油、味噌、ソースなど
  • 酸味の強い調味料…酢、レモン汁など
  • 辛味の強い調味料…一味唐辛子、豆板醤、コチュジャン、わさび、からしなど

 

調味料が少なく味気ない場合には、だしをきかせた味付けにすると物足りなさが緩和されます。

■だしの例

  • かつおぶし・かつおだし
  • こんぶだし
  • 干ししいたけだし
  • コンソメ、ブイヨン

各種顆粒だしは手軽に取り入れられるのが魅力です。
塩分が加えられているので、顆粒だし以外の塩分を調整しつつ活用するのがおすすめです。

また、少量であれば薬味(ネギ、しそ、三つ葉、みょうがなど)を加えるのもおすすめです。

温かい料理にする

消化管の刺激になる「冷たい料理」ばかりにならないように、なるべく温かい料理にすることを意識するとよいでしょう。

冷たい料理を食べてはいけないわけではありませんが、冷たいものがある場合には温かい料理や飲み物を組み合わせるなどの調整ができると理想的です。

また、反対に「熱すぎる料理」も食べる人の負担になります。
健康なときは出来立て熱々の料理が美味しくても、体調不良時は胃腸の負担になることも。
無理なく食べられる適温まで冷ますのがおすすめです。

消化の良い食事のレシピを紹介

体調不良時でも作りやすい、手軽で消化のいい食事レシピを2つ紹介します。

体力を温存するために、買い物や調理の手間が少ない冷やご飯や冷凍うどんを活用しました。
是非参考にしてくださいね。

冷やご飯と白だしで簡単しらす卵雑炊

分量(1人分)

  • ご飯…150g
  • 水…200ml
  • 白だし小さじ4(20g)
  • 卵…1個(50g)
  • しらす…20g
  • 青のり…適量

作り方

  1. 鍋に水、白だし、ご飯を入れて火にかける。
  2. 沸騰してご飯が好みの柔らかさになるまで煮たら、卵を溶き入れ、ゆっくり混ぜながら火を通す。
  3. しらすを加えてさっと混ぜ、器に盛り付ける。好みで青のりを振る。

栄養価とコメント

  • カロリー…336kcal
  • たんぱく質…15.4g
  • 脂質…6.0g
  • 炭水化物…57.4g
  • 塩分相当量…3.0g

冷やご飯と白だしで作る簡単雑炊です。
しらすとたまごでたんぱく質もとれつつ、お腹に優しい料理に仕上げました。
青のりで風味もプラスされて味覚の満足感もあります。

冷凍うどんで時短!かき玉あんかけうどん

材料(1人分)

  • 冷凍うどん…1玉(180g)
  • 水…200ml
  • めんつゆ(3倍濃縮)…30ml
  • 片栗粉…小さじ1(3g)
  • 水…50ml
  • たまご…1個(50g)
  • 小ねぎ…お好みで

作り方

  1. 鍋に水200mlを入れて加熱し、沸騰したらうどん、めんつゆを入れて煮立たせる。
  2. 水50mlに片栗粉を溶かし、1に回し入れて全体をかき混ぜてとろみを付ける。
  3. 再度湧いたところに溶き卵を回し入れ、ゆっくり混ぜて卵に火を通す。
  4. 器に盛り、小ねぎを乗せる。

栄養価とコメント

  • カロリー…354kcal
  • たんぱく質…13.4g
  • 脂質…6.2g
  • 炭水化物…60.9g
  • 食塩相当量…4.0g

冷凍庫に常備してあることの多い冷凍うどんを活用し、消化の良いかき玉うどんに仕立てました。
水溶き片栗粉でとろみを付けることで、口当たりも優しく食べやすくなっています。

胃腸の調子が悪い時の生活習慣のポイント

胃腸の調子が悪い時の生活習慣のポイント

胃腸の調子が悪いときには、食事そのものだけでなく食事の食べ方や食事以外の過ごし方なども治りやすさに影響します。

  • 食事はよく噛んでゆっくり食べる
  • ストレスをためないようにする
  • タバコを控える

それぞれのポイントについて、詳しく解説します。

食事はよく噛んでゆっくり食べる

消化の良い食事を用意することだけでなく、よく噛んでゆっくり食べることも大切なポイントです。

よく噛むことで食べ物を細かくし、消化管の負担を減らせます。
また、唾液には糖質を消化する消化酵素のアミラーゼが含まれるため、よく噛むことで糖質の消化を助けます。

早食いや食べ過ぎで一度に多量の食べ物が消化管に入るのも負担になる要因の一つです。
ゆっくり食べることで消化管の負担を少なくすることに繋がります。

ストレスをためないようにする

ストレスが溜まった状態では胃腸を含む全身の調子を保つ自律神経のバランスが崩れ、胃腸の粘膜が傷つきやすくなってしまいます。
ストレスをため過ぎないよう、普段からこまめなストレス解消を意識しましょう。

■ストレス解消のポイント

  • ストレスの原因となるものを取り除く
  • 十分な休養(睡眠)をとる
  • 趣味などを楽しむ

趣味など、積極的なストレス解消の具体的な方法は人それぞれ。
自分にとっての楽しみを見つけておきたいですね。

タバコを控える

タバコは胃や腸といった消化管には直接の関係がないように思われますが、胃腸の調子が悪いときには控えるべきものの一つです。

タバコは全身の血管を収縮させ、胃腸を含む様々な臓器の血流を低下させることが知られています。
胃や腸の血流が低下すると胃腸の働きが落ちてしまうため、消化管の負担が大きくなってしまいます。

また、喫煙は胃潰瘍の治りを遅くするとも言われていますので、胃腸の調子が悪い時には特に禁煙を心がけましょう。

まとめ

胃腸の調子が悪い時、体調不良のときには「消化のいい食べもの」を食べることで消化管に負担をかけず、回復のために必要な栄養をとることが大切です。

消化のいい食べ物とは、消化管に負担をかける栄養素や食品成分が少ないもの。以下のようなものが挙げられます。

  • 脂肪分の少ないもの
  • 食物繊維の少ないもの
  • 刺激物の少ないもの

具体的な食事メニューとしては、柔らかく加熱した、糖質中心の料理が適しています。

  • おかゆ、雑炊
  • 温かいうどん、にゅうめん
  • 茶碗蒸し、卵豆腐
  • 湯豆腐、豆腐料理
  • 具のやわらかいスープ、鍋
  • プリン、ゼリー
  • りんごのコンポート (甘煮、缶詰)、バナナ

これらの食事はコンビニやスーパーでも手に入れやすいためおすすめです。

胃腸の調子が悪いときは体全体も疲れた状態と考えられますので、食事に限らず生活全般に関して無理をしないことを意識しましょう。

参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

同友会グループ:「食べ物の消化時間」

ヤマキ株式会社:「商品情報 割烹白だし300ml」

テーブルマーク株式会社:「商品情報 さぬきうどん2食」

記事監修

院長 内田 智之
  • 日暮里・三河島内科クリニック 院長
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本血液学会血液専門医
  • 日本血液学会血液指導医
  • ICLSディレクター
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修修了
  • 難病指定医

管理栄養士

管理栄養士 平井 しおり

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。
現在は、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。