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院長コラム

寝汗がひどい、よくかく病気

喉・呼吸器疾患  / 睡眠時無呼吸症候群・いびき

寝汗がひどい、よくかく原因

ホルモンバランスの乱れ

特に更年期の女性に多く見られます。エストロゲンの減少により、のぼせやほてり、夜間に大量の汗をかくことがあります。思春期や妊娠中もホルモン変動が影響し、寝汗が出ることもあります。

ストレスや精神的な緊張

精神的なストレスや不安は自律神経を乱し、交感神経が優位になることで発汗が促進されます。寝る前や睡眠中にリラックスできず寝汗をかく場合があります。

感染症や発熱

風邪やインフルエンザなどの感染症では、体温調節の一環として寝汗をかくことがあります。発熱に対して、生体は汗をかくことで体温を低下させようとします。

薬の副作用

抗うつ薬やホルモン剤、解熱鎮痛剤など一部の薬は副作用で発汗を促すことがあります。薬を飲み始めてから寝汗が増えた場合は医師に相談が必要です。

自律神経の乱れ

生活リズムの乱れや過労、慢性的なストレスにより自律神経のバランスが崩れると、体温調節がうまくできず寝汗をかくことがあります。特に夜間の交感神経優位状態が続くと汗が増えやすくなります。

低血糖

糖尿病治療中や食事を抜いた際に血糖値が低くなると、体がストレス反応を起こし発汗が促進されます。夜間の低血糖が原因で寝汗をかくことがあるため、糖尿病患者さんは注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に呼吸が一時的に止まることで体が酸欠状態となり、覚醒反応が起こるたびに大量の汗をかくことがあります。寝汗とともにいびきや日中の強い眠気がある場合は検査が必要です。

悪性疾患(がんなど)

リンパ腫や一部のがん(褐色細胞腫やカルチノイドなど)は、夜間の発熱や寝汗を伴うことがあります。リンパ腫では、(38℃以上の)発熱、(パジャマやシーツを変えなければならないほど大量の寝汗)盗汗、(6か月間で10%以上の)体重減少の全身症状が出現することがありB症状と呼ばれます。長期間続く寝汗がある場合は、早めに医療機関で検査を受けることが大切です。

寝汗がひどい男性の原因は?

寝汗がひどい男性の原因には、ホルモンバランスの変化や生活習慣、何らかの疾患が関係しています。加齢に伴う男性ホルモンの減少や更年期障害により、自律神経が乱れて寝汗が増えることがあります。また、過労やストレス、睡眠不足も自律神経のバランスを崩しやすく、発汗が増加します。さらに、糖尿病や甲状腺機能亢進症、感染症、睡眠時無呼吸症候群などの疾患も寝汗の原因となることがあります。特に悪性疾患が隠れている場合もあるため、寝汗が続く場合は医療機関での検査が必要です。生活習慣の見直しと早めの診断が重要です。

寝汗がひどい女性の原因は?

寝汗がひどい女性の原因は、主にホルモンバランスの変化が関係しています。特に更年期に入りエストロゲンが減少すると、自律神経の調整が乱れ、寝汗やほてり(ホットフラッシュ)が起こりやすくなります。また、妊娠や月経前、更年期以外でもストレスや疲労、生活リズムの乱れによって自律神経が影響を受け寝汗が増えることがあります。さらに、甲状腺機能亢進症や感染症、糖尿病などの病気も寝汗の原因となる場合があるため、症状が長く続く場合は医療機関の受診が推奨されます。

冬に寝汗がひどい原因は?

冬に寝汗がひどくなる原因はさまざまですが、主に体温調節や健康状態の影響が考えられます。冬でも厚着や寝具が過剰に暖かいと体が熱を逃がせず、汗をかきやすくなります。また、ホルモンバランスの乱れやストレス、自律神経の不調によって体温調節機能が乱れ、季節に関係なく寝汗が増えることもあります。さらに、感染症や甲状腺機能亢進症などの病気、薬の副作用によっても冬の寝汗が悪化することがあります。原因がはっきりしない場合や長期間続く場合は医療機関での検査が必要です。

寝汗をよくかくときの検査

寝汗をよくかく場合、その原因を調べるためにいくつかの検査が行われます。まず、問診で症状の詳細や生活習慣、服用中の薬、既往歴を確認します。その後、以下のような検査が検討されます。

血液検査

血液疾患や感染症、糖尿病、甲状腺機能異常などの可能性を調べるために行います。炎症反応の程度や甲状腺機能などの内分泌検査も行います。

画像検査(胸部X線、CTなど)

リンパ腫や(結核などの)肺の感染症、悪性疾患の有無を確認するために用いられます。

睡眠検査(ポリソムノグラフィー)

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合に、睡眠中の呼吸状態や脳波、心拍数、筋電図を測定します。

寝汗がひどい、よくかくときの対処法

寝室の温度・湿度の管理

寝室が暑すぎたり乾燥していると、体温調節が乱れ寝汗が増えることがあります。

  • 季節にもよりますが室温は 21~25℃、湿度は 50〜60% が理想的です。
  • エアコンや加湿器・除湿機を活用し、快適な環境を保ちましょう。
  • 特に冬は暖房をつけっぱなしにせず、就寝前に暖めて切る程度が良いです。

寝具とパジャマの見直し

素材によって発汗後の不快感が大きく異なります。

  • 通気性・吸湿性の高い綿や麻素材のパジャマがおすすめです。
  • 寝具(敷き布団・掛け布団)も吸湿・放湿性のあるものにしましょう。
  • 可能であれば、汗を吸収しやすいタオルや汗取りシーツを敷くのも有効です。

入浴習慣の調整

寝る直前の熱いお風呂は交感神経を刺激して逆効果になることもあります。

  • 就寝の1〜2時間前に、38~40℃のぬるめのお湯に15〜20分ゆっくり浸かると、入眠がスムーズになります。
  • 体が自然に体温を下げる過程で、寝汗も起きにくくなります。

アルコール・カフェインの制限

アルコールは血管を拡張し、体温を上昇させるため寝汗が出やすくなります。

  • カフェインも交感神経を刺激し、寝つきを悪くし発汗を促進する可能性があります。
  • 就寝前3〜4時間は控えるようにしましょう。

ストレスの管理と生活リズムの改善

日中のストレスは夜間の交感神経の過活動につながり、寝汗の一因になります。

  • 規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動を意識しましょう。
  • 就寝前のスマホや仕事も控え、リラックスできる時間(読書や音楽、深呼吸など)を取り入れることが大切です。

医療機関での相談・検査

次のような場合は、病気の可能性があるため受診をおすすめします。

  • 寝汗が毎晩大量に出る
  • 熱や体重減少、全身のだるさがある
  • 睡眠の質が悪く、日中に強い眠気がある

検査としては、血液検査・内分泌検査・画像検査・睡眠検査などが行われ、甲状腺疾患や感染症、睡眠時無呼吸症候群、悪性疾患などの有無を確認します。

寝汗をよくかくに関するよくある質問

寝汗はどの程度なら正常ですか?

誰でも体温調節のために多少の寝汗はかきます。パジャマが少し湿る程度なら正常範囲です。ただし、寝具がびしょ濡れになるほどの寝汗が毎晩続く場合は、病気のサインの可能性があります。

睡眠中にだけ汗をかくのは問題ですか?

日中は汗をかかないのに夜だけ大量の寝汗が出る場合、自律神経の乱れや睡眠障害、または感染症や内分泌異常などが原因の可能性があります。継続する場合は医師の診察を受けましょう。

寝汗が原因で眠りが浅くなります。どうすれば良いですか?

汗による不快感で中途覚醒が起こる場合、寝具やパジャマの素材を見直し、汗を吸ってもべたつかないものを選ぶのがおすすめです。室温や湿度の調整も併せて行いましょう。

子どもが寝汗をよくかくのは大丈夫ですか?

子どもは体温調節が未熟で、大人より代謝が活発なため寝汗をかきやすい傾向があります。よほど大量でなければ心配はいりませんが、熱や咳を伴う場合は小児科で相談しましょう。

ストレスと寝汗には関係がありますか?

ストレスや緊張により交感神経が活発になり、発汗が増えることがあります。ストレス軽減のために、規則正しい生活やリラックス法(深呼吸・瞑想など)を取り入れることが効果的です。

寝汗がひどいときに避けるべきことはありますか?

寝る前の飲酒、カフェイン摂取、激しい運動、スマートフォンの長時間使用などは交感神経を刺激し、寝汗を悪化させることがあります。これらを控え、睡眠環境を整えることが大切です。

熱がないのに寝汗をかくのは異常ですか?

熱がなくても慢性的に寝汗が続く場合、内分泌異常や自律神経の乱れ、薬の副作用などが原因の可能性があります。原因がはっきりしないときは医療機関での検査をおすすめします。

寝汗で脱水になることはありますか?

大量の寝汗が毎晩続くと、軽度の脱水状態になることがあります。特に高齢者は喉の渇きを感じにくいため注意が必要です。起床時にコップ一杯の水を飲む習慣をつけるとよいでしょう。

更年期の寝汗は治療できますか?

更年期による寝汗はホルモンバランスの変化が原因です。ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬、生活習慣の見直しで改善が期待できます。