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院長コラム

大人で嘔吐・下痢症状がある(熱はない)

熱・感染症

大人で嘔吐・下痢症状がある(熱はない)の原因は?

急性胃腸炎(ウイルス性)

ノロウイルスやロタウイルスなどによる感染で、嘔吐や下痢が主な症状です。発熱がないことも多く、食欲不振や腹痛を伴います。通常は数日で自然に回復しますが、水分補給が重要です。

食中毒

細菌やその毒素によって起こることが多く、嘔吐や下痢が急に始まります。発熱を伴わない場合もあり、原因により潜伏期間や症状の持続時間が異なります。重症化を防ぐために早めの対応が必要です。

過敏性腸症候群(IBS)

発症のメカニズムはまだ解明されていませんがストレスの関与が示唆されています。排便に関連した反復性の下痢や腹痛が続きます。嘔吐や発熱は通常伴いませんが、不快感が強く生活に影響を与えることがあります。診断は症状と除外診断で行います。

薬剤性胃腸障害

特定の薬(抗生物質、NSAIDsなど)が胃腸に刺激を与え、嘔吐や下痢を引き起こすことがあります。発熱は通常伴いません。薬の使用歴を確認し、症状が続く場合は医師に相談が必要です。

消化管運動異常

ストレスや神経の影響で腸の動きが乱れ、嘔吐や下痢が起こることがあります。発熱は伴わず、症状は断続的に現れます。生活習慣の改善やストレス管理が有効です。

慢性膵炎の一時的な症状悪化

膵臓の慢性炎症により消化不良が起こり、嘔吐や下痢が出ることがあります。発熱がない場合もあり、腹部の痛みを伴うことがあります。

大人がロタウイルスに感染すると嘔吐と下痢症状が起こる?

大人がロタウイルスに感染すると、嘔吐や下痢の症状が起こることがあります。

ロタウイルスは主に乳幼児に多くみられるウイルス性胃腸炎の原因ですが、大人でも感染することがあります。特に小さな子どもと接する機会が多い保護者や医療従事者がかかることがあります。大人の場合、症状は軽いことが多いですが、嘔吐、下痢、腹痛、倦怠感などが現れることがあります。発熱は必ずしも伴いませんが、脱水に注意が必要です。

対症療法が中心となり、こまめな水分補給と安静が重要です。症状が強い場合や長引く場合は医療機関を受診してください。

大人がノロウイルスに感染すると嘔吐、下痢になる?

大人がノロウイルスに感染すると、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などの症状が現れることがあります。

ノロウイルスは非常に感染力の強いウイルスで、経口感染(汚染された食品、特に二枚貝など)や接触感染、飛沫感染によって広がります。感染後、1〜2日以内に症状が急に現れるのが特徴です。発熱は37〜38度程度の微熱が多く、主症状は水様性の下痢や吐き気・嘔吐です。症状は通常1〜2日で改善しますが、脱水には注意が必要です。

治療は基本的に対症療法(水分補給と安静)で、抗ウイルス薬はありません。手洗いや消毒による予防が非常に重要です。高齢者や持病のある方は重症化することがあるため、注意が必要です。

大人が突然嘔吐する原因は?

大人が突然嘔吐する原因はさまざまですが、主に消化器系や神経系の異常、薬剤の副作用、心理的要因などが関係します。代表的なものとしては、ウイルス性胃腸炎や食中毒、暴飲暴食による胃の不調があります。また、片頭痛や脳出血などの神経疾患、過度のストレスや不安による自律神経の乱れでも嘔吐が起こることがあります。さらに、乗り物酔いや妊娠初期のつわり、アルコールの過剰摂取なども原因となる場合があります。症状が繰り返す、激しい腹痛や意識障害を伴う場合は早めの受診が必要です。

大人で嘔吐・下痢症状がある(熱はない)の治療・対処法

基本的には脱水の予防と胃腸の安静が最も重要です。

まず、水分補給が最優先となります。嘔吐や下痢により体内の水分と電解質が失われやすくなるため、経口補水液(OS-1など)やイオン飲料、白湯などでこまめに水分を補いましょう。1回に多く飲むと嘔吐を誘発する場合があるため、少量ずつ頻回に摂るのがコツです。

また、食事は無理にとらず、症状が落ち着いてからおかゆやスープなど消化にやさしいものから再開します。胃腸に負担がかかる脂っこいものやアルコール、カフェインは避けてください。

症状が軽い場合には市販の整腸剤や吐き気止めを使用することも可能ですが、下痢止めの自己使用には注意が必要です。感染性胃腸炎などの場合は、ウイルスや細菌を体外に排出するために下痢が起きていることもあり、安易に止めてしまうと症状悪化の原因になります。

症状が長引く、血便が出る、激しい腹痛がある、水分が摂れない、尿量が減るなどの異常がある場合は、必ず医療機関を受診してください。医師の判断で必要に応じて点滴や抗菌薬の投与が行われることもあります。

日常生活では、手洗いや食品の衛生管理にも注意を払い、感染予防に努めることも大切です。

大人で嘔吐・下痢症状がある(熱はない)に関するよくある質問

嘔吐と下痢があるのに熱が出ないのはなぜですか?

ウイルスや細菌による軽い胃腸炎や食あたりなどでは、腸内にとどまる局所的な反応のため発熱が起きないことがあります。必ずしも発熱がないからといって軽症とは限りません。

熱がない場合は病院に行かなくても大丈夫ですか?

軽症で水分が取れ、回復傾向にあるなら自宅で様子を見ても構いません。ただし、脱水症状や症状の長期化、血便がある場合は早めに受診してください。

嘔吐と下痢があるときに食事はどうすればいいですか?

症状が強いときは無理に食べず、まずは水分と電解質の補給を優先しましょう。症状が落ち着いてきたら、消化の良いおかゆやスープから始めてください。

薬は飲んでもいいですか?

胃腸薬や整腸剤は症状によって使うことがありますが、市販の下痢止めは原因によっては逆効果になることもあるため、医師や薬剤師に相談してから使用しましょう。

嘔吐と下痢があるときにしてはいけないことは?

脱水を放置したり、無理に食事をとったり、安易に下痢止めを使うことは避けてください。体をしっかり休め、水分補給を最優先に行いましょう。

ストレスで嘔吐や下痢になることはありますか?

はい、強いストレスや不安が自律神経のバランスを乱し、嘔吐や下痢といった消化器症状を引き起こすことがあります。過敏性腸症候群(IBS)などが代表的です。

嘔吐と下痢だけでインフルエンザや新型コロナの可能性はありますか?

インフルエンザや新型コロナウイルス感染症では、まれに消化器症状のみが現れることもあります。周囲に感染者がいたり、体調が長引く場合は検査を検討してください。

水分を取ってもすぐ吐いてしまうときはどうすればいいですか?

一度に大量に飲まず、少量ずつ(スプーン1杯)をこまめに摂るのがコツです。それでも改善しない場合は脱水のリスクが高まるため、早めの受診が必要です。

嘔吐や下痢を繰り返すときの注意点は?

繰り返すことで脱水や電解質の異常を起こすことがあります。尿の量が減る、意識がぼんやりするなどの症状があれば、点滴などの治療が必要になる場合があります。

嘔吐と下痢が治っても、しばらくお腹の調子が悪いのはなぜですか?

胃腸炎などの回復後も、腸の粘膜が完全に元に戻るまでには数日〜1週間ほどかかることがあります。そのため、一時的に軟便や腹部の違和感が続くことがあります。

嘔吐と下痢があるときに飲んではいけない飲み物はありますか?

カフェインを含む飲料(コーヒー・緑茶)、炭酸飲料、アルコールなどは胃腸を刺激しやすいため避けましょう。経口補水液や常温の白湯、薄いスポーツドリンクがおすすめです。

嘔吐や下痢があるときに市販薬を飲んで良いですか?

整腸剤や吐き気止めは使える場合がありますが、自己判断で下痢止めを使うとウイルスや毒素の排出を妨げ、悪化することがあります。使用前に医師・薬剤師に相談しましょう。